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黒木睦子さんのケース

 投稿者:ウエダ  投稿日:2014年10月24日(金)11時05分47秒
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  こんにちは、皆さん、植田です。

 なぜ日本人は政治に抗議する代わりに、みずから消えることを選ぶか?
 さきほどは、丸山真男の論文を参考に、原理的な問題を見てみました。

 今度は、その応用編といきましょう。
 実にタイムリーな実例が出てきました。
 律令理性のパラダイムに従わない日本人の登場です。

 その人の名前は、黒木睦子さん。
 https://twitter.com/mutsukuroki

 * 「黒木睦子 @mutsukuroki     ?  14時間 14時間前

わたしは日本に住む主婦です。日本の住友金属鉱山(株)が親会社の(株)日向製錬所に「子どもが咳しだして困るから止めてくれ」と言い続けたら、この会社から訴えられました。来月が裁判になっています。非常に困っています、この問題を取り上げてもらえないでしょうか?宜しくお願いします」

 * 「黒木睦子 @mutsukuroki     ?  21時間 21時間前

【来月、裁判になりました】
まだ信じらない気持ちです。ふつうの主婦です
人にかける迷惑も考えない人から、こんな風に訴えられました。

“損害賠償請求等事件”
住友金属鉱山(株)が親会社です。「黒木さんが困ってるか知りませんが、(株)日向製錬所が訴えるというから、いいよ、と。」


 黒木さん、産廃物のせいで、自分の子供にセキがでるようになり、やめて欲しいとその会社に訴えたら、逆に、裁判の被告にされてしまった、と。
 律令体制では、なぜこういうことになるのか?

 私の答えは簡単です。
 日本社会は個人を基本単位としないために、「基本的人権」の思想など、憲法に書いてあるだけの吹けば飛んでいくゴミ、と。
 日本国家の統治機構を動かす人たちは、すべて、この考えで固まっています。というか、お互いに緻密な連絡網を築いているか、ということには関係なく、日本国の統治思想がそうなっているために、自動的にそうなります。

 このケースで、興味深いのは、黒木さんという、律令理性人離れした日本人女性が出てきたことです。

 * 「黒木睦子 @mutsukuroki     ?  23時間 23時間前

(株)日向製錬所の早川さんという人から怒られました。「50年間、黒木さんのように言ってくる人は、誰もいませんでした!!」


 ということは、日向精錬所という会社は、50年も、ずっと産廃物を市民に無断で捨ててきた、ということなのでしょう、推測するに。
 そこに黒木さんが出てきて、さて、困った、と。
 〈日本人なら、そんなことをするはずがないのに、なんだ、この黒木という女は!?〉というところではないでしょうか。

 では、黒木さんの立場はどうか。

 * 「利口な人は言わないでしょう。
わたしは黙っていない馬鹿だから、言えます」


 ベリー・グッド。
 まさにここがポイントです。
 利口ではなく、バカだから、と。

 日本社会で、政治的にバカということは、どういうことか?
 丸山真男のさきほどの論文によれば、日本人の学問は、こうです。

 「学問というものは、教学ーつまり、上からあらかじめ固定された真理として決められたものを配給する。こういう教学という形をとるわけです。」『丸山真男集7』p.117

 「国家権力の前に平等にひれ伏す臣民の造出が、ほとんど抵抗らしい抵抗をみないで成功したことの背景には、むろん、教育権を国家がいち早く独占したことが大きな意味をもっております。」p.128

 「いわゆる国体というものへのイデオロギー的な同質化ということは、同時に、国民というものが政治から疎外される。つまり非政治化されるということを意味している。これはどういうことかといえば、国家権力の中枢であるところの天皇制というものが、批判のかなたに置かれたので、この国体と同じ平面での政治、つまり権力を獲得をめざす集団間の公然たる闘争という意味での政治は、初めから存在する余地がない。
 政治教育というのは、したがって、民主的な市民を養成する教育ではなくて、天皇を頂点とする国家制度に対する随順の精神を養うということが、いわゆる公民教育の課題になるわけです。」p.129

 日本社会で、政治的にバカであること、すなわち、自分の子供の健康のことだけを心配する、人間の普通の母親の立場に徹すると、明治政府が構築したこの国の「臣民」のモラルに反することになる、ということです。

 教育を受けた日本人の大半は、自動的に、企業・会社側の発想に立ちます。個人ではなく、集団である企業・会社は、律令理性の行動原理で動きますから。
 余談ですが、日本人の会社は、山本七平などが1970年代以降、しきりに指摘したように、欧米の会社のような機能集団ではなくて、村落共同体です。すなわち、「お上」の言うなりに動く律令理性人です。

 さて、黒木騒動、今後、どうなっていくか?
 黒木さんの、自称「バカ」の中には、自然理性の光が宿っています。
 
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