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山口つよし議員の質問/足利尊氏の人生

 投稿者:ウエダ  投稿日:2009年11月 2日(月)12時21分26秒
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  こんにちは、皆さん、植田です。

 午前の国会中継、民主党の山口つよし議員が私の印象に残りました。
 マクロ経済学は終わった、という発言。
 アメリカのアフガン戦争はベトナム戦争になる、との発言。
 インド洋上での石油提供は意味がないとアメリカ軍のリポートでも報告されている、との発言。
 ただし、状況分析はよし、ですが、対策はなし、です。というより、鳩山首相に「アフガンに日本がどのような貢献ができるのか、首相の考えを聞かせてください」という質問だけでした。

 どんな人なのかとさっそくサイトを訪問したら、こんな人でした。
 http://www.mission21.gr.jp/yamaguchi/

 東大卒、ジョンホプキンス大学で政治学の博士号。外務省勤務。
 なるほど、外交に詳しいわけだ、と思いました。
 かのマイケル・グリーン氏を「私の友人」と呼んでいました。
 ま、SAISで博士号を取得したのであれば、そうなるでしょう。

 外務省時代に勤務した大使館もなかなか興味深い場所です。
 アメリカ、中国、イギリス、パキスタン。
 パキスタンがなぜ興味深いかというと、隣国がアフガンです。

 「アレキサンダー大王が苦戦したのが、アフガン。そこの山の中で死んだ。死んだときのアレキサンダーの軍は10万人だった。ソビエト軍がアフガンで敗戦したときも10万人だった。今やアメリカ軍の人数も10万人に近づいている。ベトナム戦争と同様、アメリカの敗北で終わるだろう」。

 「マクロ経済学も終わる。もしマクロ経済が有効であるなら、リーマン・ショックなど起きなかっただろう。リーマン・ショックは経済学の無能を晒した。フランシス・フクヤマは『歴史の終わり』と言ったが、いまや「経済学の終わり」の時代が来た。」

 さすがに現代世界の学問の中心地で博士号を取得しただけに、怖いものなし、です。
 では、その知識で政権交代革命後の日本をどうするのか。
 政治家には次の時代を築ていくヴィジョンが必要です。

 話題は変わって、足利尊氏の評価です。
 井沢元彦氏の『逆説の日本史』では、足利尊氏は武将としては大変有能だったが、政治家としては無能の人だった、ということです。その政治的無能により、南北朝による天皇制度の分裂を長引かせ、おまけに戦国時代の到来の種をまいた人、と。

 尊氏の生涯を要約してこう述べます、

 「とどのつまり尊氏は〈平和〉という果実を味わうことなく1358年4月にこの世を去った。
 幕府の開設者とはいえ、その一生は戦いに始まり戦いに終わるという、ある意味では不幸な一生であり、真の意味での天下統一、平和の確立は次世代の課題として残された。」『逆説の日本史7』P.176

 確かに日本史に出てくる無視できない政治家・武将の一人として彼を見ればそういうことになるでしょうが、しかし、NHKの大河ドラマを見ての私の感想は、違います。
 足利尊氏は、人生での自分の目的を達成した人です。すなわち、北条氏を倒す、と。尊氏の政治的野望は、それだけでした。
 ところが、公家の政治に不満を持つ日本全国の武士たちの期待を一身に集める存在になってしまいました。井沢氏が言う尊氏の無能はここから出てきます。
 これを尊氏の側から見れば、「そんなことはどうでもいい」というところでしょう。「おれは、源頼朝でも徳川家康でもなく、単に足利家の棟梁の家に長男として生まれてきただけで、祖父の遺言である〈北条氏を倒して、天下をとれ〉を実行しただけだ」と。政治を行うつもりはなかった、と。

 尊氏に不幸があるとすれば、統治の必要上から、自分の弟を殺すしかなくなってしまったことです。
 頼朝は、幕府の理念を徹底するために意図して弟の義経を追い詰め、殺しました。
 それに対して尊氏は、時代が要請する状況に巻き込まれて、仕方なく弟を殺す羽目になりました。

 こういう場合に、政治とは何か、という問題が浮上します。
 兄弟が仲良く過ごしたいのに、時代の状況がそれを許さない、というのは何か。

 歴史を見ていくと、その時代を生きた特定の人物の「個人史」があります。
 それと同時に、社会一般の問題があります。個人の権利と、社会全体の秩序が対立するとき、人々はそれをいかに解決するか。

 アメリカ占領軍が日本国憲法をつくるまでは、日本人は基本的人権なる概念を知りませんでした。いや、政治的制度として、その思想に市民権を与えることができませんでした。
 なぜか。
 アマテラス神話を超える思想を、日本人は自分で考え出すことができなかったからでした。国民主権です。
 それゆえに、アメリカ占領軍に「天皇利用計画」をやすやすと遂行され、戦後の日本属国となりました。
 思想の問題は大きいです。

 戦後の日本人の幸福は、アメリカに「管理された」幸福です。
 まあ、それでも、戦前の国体の生活よりはずっとましです。
 戦前には、そもそも個人の自由がありませんでした。祖先崇拝の信仰に基づく政体は、個人に自由を許容すると、秩序が崩壊します。

 室町幕府の時代の日本も、国民主権の思想がなかった時代です。
 私たちは、8.30革命以後の時代にいます。
 別世界です。
 
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