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こんにちは、皆さん、植田です。
普天間基地の移設問題の詳細、というか、だいたいのいきさつの情報は、絶対に日本側からではなく、アメリカ側から出てくるだろう、と私は予想していたのですが、案の定、そうなりました。
ローレス元国防副次官のインタビューが本日の日経新聞に出ています。
移設計画を練った当事者です。
しかし、なんで日本側からは出てこないのか不思議ですが、私は2つ、その理由を考えました。
1 官僚はそもそも民を蔑視しているので、国民を信用していない。
戦後世代であれば、学校時代に机を並べた仲であるのに、省庁の中に入ってしまうと、明治以来の組織の伝統の力に巻き込まれてしまうのでしょう。官は民に超然としている、と。
要するに、戦後世代の官僚にして、不比等戦略に負けているわけです。
学校秀才の優秀な知力が不比等戦略に屈しているわけです。
学校秀才の知とは何ぞや? です。
2 太田述正氏の『防衛庁再生宣言』にありますが、自衛隊は日本国民を敵と見なしているということです。なぜなら、憲法9条により、戦後の日本にあっては軍隊もどきの自衛隊は国民から違法な存在であると見なされているため、と。
国民が自衛隊を違法の存在と考えるなら、自衛隊のほうとしても、組織を守るためには、国民を敵と見なすしかないではないか。
というわけで、このような理由から、日本側からは絶対に情報は出てこない、と私は予想していました。出てくるとしても、アメリカ側に追随する形だろう、と。
なんとも情けない戦後の日本国です。
情報属国です。
で、ローレス氏のインタビューです。
「普天間基地は単なる基地の再編ではない。有事の共同計画づくりだ。我々は基地の共有、情報の共有なとも話し合った。同盟の機能強化のためだ。
我々は自民党とではなく、日本政府と合意したのだ。オバマ政権はブッシュ政権がした合意を尊重した。」日経新聞2009.11.13
なるほど。
有事のための普天間移設、でしたか。
しかし、日本人のコトダマ思想には通用しません。「有事」という発想そのものが、すでにタブーです。
日本語の中では、有事を想定した議論は、仮説の議論は成り立たないという名目のもと、議論が中止されます。もちろん、その背景にあるのは、コトダマ思想です。
自民党政権は日本政府ではありません。
律令システムにおいて日本国を代表するのは、天皇です。
だから、政権交代して与党になった民主党に、日本を代表する政府という認識はありません。代表しているのは天皇であり、民主党は、とにかくマニフェストを遂行する、という行動原理があるのみです。
アメリカの場合は天皇がいませんから、時の政権が国家を代表することになります。
不比等が作った「権威」と「権力」を分離する2元国家構造が日本国をして、外国にわけのわからない国という印象を与えます。
次です。
2007年末にメディアで話題になった守屋氏が北海道への移設を提案したとのことです。
対して、アメリカはー
「自衛隊の基地を活用したいという話だった。海兵隊員を訓練する施設がなかった。」
岡田外相の嘉手納統合案についてはー
「何度も検討した。海兵隊の軍用基準を満たさない。有事には空軍基地である嘉手納に加え、海兵隊増派部隊が使う基地が必要だ。
北朝鮮は日本を攻撃できるだけの通常兵器も持っている。中国の軍拡やロシアの復活。アジアの安全保障すべてを変えないと無理だ。
我々は基地の再配置をいきなり決めたのではない。アジアのおける脅威の分析、日米の役割分担、作戦行動などを2年半かけて検討した。19項目の合意は相互に補い合っている。
海兵隊の一部をグアムに移転した後も米国には日本防衛の義務がある。普天間移設ができなければ合意はすべて白紙に戻さざるを得ない。普天間移設は日米同盟のエンジンだ」同前掲
以上がローレス氏のインタビューの全部です。
ローレス氏の説を一気に覆す日本側の説はこうです。
それらはすべて日本列島に米軍を駐留させておきたいというアメリカの陰謀である。
北朝鮮問題も、中国の脅威も、すべてアメリカのでっち上げだ。
極東アジアには、現在、波乱要因は何もない。
だから、日米同盟は限りなく縮小に向かってもよろしい。
さて、ローレス氏の検討は、アメリカのグローバル戦略から出てきた妄想か。
それとも、戦後の日本がその価値観を共有するアメリカがそういうのなら、妄想ではなく、現実のものと受け止めるべきか。
ともかく、アメリカ・べったりの自民党政権が倒れたおかげで、日米関係のいきさつも見えてくるようになりました。
民主党の功績は大です。
アメリカ側の姿勢の基本的前提にあるのは、ホッブスの命題です。
この世界は、競争である。
一方、日本側の大前提は聖徳太子です。
この世界は、和である。
日米同盟は、この世界の基本的構成をめぐるこの前提どうしの矛盾の上に成り立っています。
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